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ファミ通文庫
書名:東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる
発売日:2011/12/26
著者:森橋ビンゴ
イラストレーター:Nardack

あらすじ

わたしは本当に、あの人のことが、憎くて憎くて、ならないのです。

2年に進級した英太と東雲。東雲との関係が公になったことで心なしか賑やかな学校生活になってきた英太とは対照的に、東雲は初めてのスランプに陥っていた。そんな折、演劇部の女子喜多川が、「学園祭の舞台の脚本を東雲さんにお願いしたい」と英太に頼み込んでくる。その頼みを気分転換も兼ねて引き受けることにする東雲だが、思うように筆の進まない東雲と、奔放な喜多川に振り回される英太は少しずつすれ違っていき……。もどかしく苦い、第2章。

感想

森橋ビンゴ先生の『東雲侑子は短編小説をあいしている』の第2章です。1巻タイトルにナンバリングするのではなくタイトルそのものが変わっていますのでご注意を。

今巻は前巻の終わり10ヶ月ほど経過し、主人公たちが2年生になった直後から開始します。主人公の英太と東雲が交際していることが公になるが、二人の仲はなかなか進展しない…というお話です。いわゆる公認カップルになったので普通のライトノベルならイチャイチャしたりバカップルになったりしそうなものですが、この『東雲侑子』シリーズはライトノベルらしからぬ恋愛小説でありそのようなことは起こりません。もちろん主人公の英太もヒロインの侑子も淡々とした性格なのでそういうことにならないのは予想の範疇でしたが。

英太も侑子もお互いに言葉数が多い方ではなく、お互いを気遣いすぎるがゆえにすれ違う展開はとてももどかしく、主人公に絡む女性キャラクタが現れたこともあり二人の関係がどうなるのかとハラハラしました。

この作品は一人称で書かれているので、主人公の英太が侑子や周りの登場人物の想いを測りかねて苦悩する心情がよく伝わってくるので非常に感情移入しやすいです。英太はヒロインの侑子に対する思いをあまり口にはしないのですが、地の文では何度も「東雲が好きだ」と宣言しており他の女性には目もくれず一途に想い続けているところが良いです。好感が持てます。ただし今巻では自分の想いを口に出すことはあまりないという点が要因となり侑子とのすれ違いが生まれてしまいますが、英太は自分の想いをきちんと伝えていないことに気づき、侑子のもとに向かい想いを伝えます。普段は淡々とした性格で何物にも興味を示さない主人公が東雲侑子のこととなると気遣ったり、思い悩んだり、熱くなったりして本当にヒロインのことを好きなんだなぁと感心しました。

今巻でも本作の特徴である章ごとに挿入される短編小説に侑子の気持ちがストレートに詰まっており、それを物語の終盤で主人公が読み、心うたれるという演出は素晴らしいです。侑子の今までの気持ちを告白し、主人公もこれからは自分の想いに正直になると決意する最後のシーンでは安堵すると共に心うたれました。読み終わった後には自分のことのようにうれしくなるくらい感情移入をしていました。最高のお話だったと思います。

あとがきを読むとこの『東雲侑子』シリーズには更に続きがあるらしく、次は来春に出るとのことで、今から待ち遠しくて仕方ありません。

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プロフィール

シバツジ

Author:シバツジ
職業:システムエンジニア
趣味:ライトノベル、ネットゲーム、フィギュア、散歩


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